- グーグルのアルゴリズムの変更
- 消費者の情報検索リテラシーの向上
- 商品選びの基準が「つながりの強さ」
1.グーグルのアルゴリズムの変更
昨今、ウェブの世界ではインバウンドマーケティングやら、オウンドメディアやら、聞き慣れないことばがたくさん叫ばれております。
グーグルの検索エンジンの上位表示のルール、いわゆるアルゴリズムが、大きく変動したことに原因があります。
ざっくりいうと、従来は、外部のサイトからのリンクが多ければ多いほど、「このサイトは人気があるな!」という判断基準のもと上位表示されていたのです。
しかし、上位表示したいがために自作自演で、ブログやサイトをたくさん作りそこからリンクを張るというSEO対策が盛んに行われたのです。
その結果、どういうことが起きたかというと、ある情報を知りたいときに、適切な内容が含まれるサイトが上位表示されるとは限らなくなったのです。
検索エンジンを運営する側からすると、せっかく検索したのに、求める情報が得られるサイトを見ることができなければ、その検索エンジンは使われなくなります。
そこで、グーグルはサイトの中身がどれだけ質が良いのかをあらゆる技術を用いて判断できるように改善に改善を重ねて来たのです。
滞在時間、ページビュー、サイト規模、サイトエイジ、アクセス数などが主に基準となっているといわれていますが、このほかにも数百個レベルの基準があるともいわれています。
自分がサイト検索をしたときに、よくよく考えると、求めている情報があるサイトなら、長い時間を閲覧時間に充てますし、何ページも見ます。そして、数時間後、何日間後、また気になって見に行ったりします。
そういったサイトは優良なサイトだとグーグルも判断する訳です。
2.消費者の情報検索リテラシーの向上
インターネットが一般的に普及して20年くらいたちます。また、最近はスマートホンの普及で、多くの人が、常にコンピュータを持っているのと同じ状態にいます。何かを調べるときのリテラシー(知識、経験)などが格段にあがっています。
例えば、渋谷でデートで食事をするとします。
ちょっと前なら、「渋谷 レストラン」と検索して、一覧からこまめに探すでしょう。しかし、今はどうでしょう?
「渋谷 フランス料理 夜景が綺麗」とか、自分が希望する条件、スチュエーションのキーワードをいくつも入れるのです。さらに最近ではワミングバード検索といって、話し言葉で検索します。
「渋谷で夜景が綺麗でおしゃれなフランス料理のレストラン」
こんな風に。
また、何かを探す、検討するときに緊急性が高い場合と、低い場合があります。
緊急の場合はそれさえあれば、それでいい状態です。例えば、灼熱の砂漠で、喉がからからに渇いている状態の人は、とにかく水が欲しい状態です。エビアン、ボルビック、いろはす、どれにしようかな?などとはいいません。
しかし、アンチエイジングにこだわるセレブな女性がミネラルウォーターを選ぶ場合はそうはいきません。この水の水源はどこで、どんな環境なのか、水質がどんなもので、採水の保管環境はどうなのか、など細かいところまで調べます、そして、学者や専門家、実際に飲用している人の口コミなどから、判断して購入に至ります。
こういった、単純に商品をならべただけでは、お客様が求めている情報を提示しているとはいいがたいのです。商品情報とあわせて、背景の情報もしっかり検索して検討するケースがとても増えているのです。
3.商品選びの基準がつながりの強さとなっている
日本では2011年3月11日の東日本大震災後、人と人とのつながりや絆という意識がより強くなったといわれています。もともと島国という民族性もあるのでしょう。
ですから、自分が何か商品を購入する、サービス提供を受けるなどする場合、意識してか知らずか、同じ商品、同じような金額であれば、付き合いがある、親しみのある人から購入したくなるものです。
ネットの世界はデジタルなので、単純に価格競争の選択方法になりがちでした。安ければいいみたいな。
しかし、世の中の商業活動では物理的な「一商品=価格」ではかれない商品サービスもたくさんあります。そういう商品を選択する場合、サイトで検討するには文章や、写真、動画などによって、その会社、店の理念や、こだわり、また、経営者やスタッフの人柄などに共感して購入する決定するのです。
この共感してから決定するというプロセスは、必ずしも閲覧者が意識しているとは限りません。「この社長、いい人そうだから、ここに決めた!」という思考回路ではないケースも多いのですが、ただ何となくということことで決定に至ることも十分あります。むしろその方が多いかもしれません。しかし、確実に選択する判断基準は何かしらのつながりが作用しているのです。
さて、上記に3つのポイントとして、検索エンジンと、消費者の傾向をあげてきましたが、これらに対応する考え方、手法がインバウンドマーケティングであったりオウンドメディアだったりするのです。インバウンドマーケティングとは、プッシュ型の営業ではなく、プル型の営業行為、すなわち、これいいよ!買いなさい買いなさい!ではなく、あの会社いいね、あの商品いいね、欲しいね!と消費者からよってくるように、求める情報を提示してあげるマーケティング手法です。そして、その情報を発信する媒体がオウンドメディアという訳です。
これからの時代は、お客様への有益な情報を提供した商活動にシフトすることの重要性がますます高くなりそうですね。